人間の嗅覚について/植物が持つ力
『香りの記憶』、を誰でも1つは持っているのではないでしょうか?
この香りを嗅ぐと、あの人を思い出す、あの場所を思い出す…
この香りを嗅ぐと、懐かしいあの頃を思い出す。
嗅覚は人間の感情、および記憶と密接に結びついています。
その理由は、脳にあります。
私たちの五感に入ってきた刺激は、電気信号となって脳に伝達されますが、その中で嗅覚から入ってきた刺激だけは大脳辺縁系と呼ばれる、古い脳へと伝わっていきます。
大脳辺縁系は他の大脳皮質に比べて、発生学的に古く、情動、記憶、本能を
司ると言われています。
食べ物の匂いを嗅いで、悪くなっているかどうかを判断するのも、嗅覚によるものですね、
賞味期限など存在しなかった、太古の時代から嗅覚は人間にとって大切な生きるために必要な感覚でした。
嗅覚が人間の意識に与える影響を知っていたのでしょうか、クレオパトラは自分の乗る船の帆にバラの精油を塗って、その香りを風に乗せて自分の存在を知らせていたと言われています。
香りのアプローチは人間の脳に働きかけ、行動を促します。
よい香りには瞬時に人の感情を良い方に変化させる力があります。
心地よい香りが漂う空間には人が集い、長く滞在します。
それは、お客様やスタッフ同士の円滑なコミュニケーションの構築にも役立ちます。
また、天然精油の香りは、アロマテラピーの得意分野であるストレス緩和などの癒し効果をもたらし、その場にいる人の心身に働きかけ、良いイメージを残します。
『人の感情に変化を与える条件のうち、嗅覚は75%もの影響力を持つといわれています。この影響力は、匂いを認識する嗅腺と、感情と記憶を支配する辺縁系の密接な関係によるものです。
鼻で香りを感知する嗅覚受容体は、記憶と感情をつかさどる脳の領域と密接に連動しています。そのため嗅覚は他の知覚器官よりも機能的で、非常にすぐれています。
人間の鼻は約10,000もの化学物資を感知することができます。香りによる独自の “ロゴ” を用意したブランドは記憶される確率が65%、香りのないブランドは3カ月以内に忘れられてしまう確率が50%です。』
(米国嗅覚研究所)Air aroma社HPより
植物の香りが持つ力
例えば..森の中にいくと清々しい気持ちになるのは
樹木が発散するフィトンチッドという物質によるものです。
フィトンチッドには、空気を浄化し殺菌効果があることでも知られていますが、 近年は人に対して、ストレスを軽減し安心感をもたらす様々な効果があるとして研究が進められています。
その効果は下記の通りです。
*脳内のα波の発生を促し、精神を安定させる *自律神経を安定させる *交感神経の過剰な働きを抑え、自律神経のバランスを取る *神経バランスを整え、イライラや怒りを和らげる *ストレスホルモンを減少させる
*肝機能の改善
*呼吸をしやすくする
天然の精油(特に樹木類)にはαピネンという成分が多く含まれ、それがフィトンチッドの香り(深林の香り)の元となっています。
天然の精油の成分にはさまざまな薬効があることが認められています。
香りを空間に拡散することにより、感染症対策にも効果的です。
また、天然の香りは脳に働きかけストレスを軽減し、
安心感をもたらしてくれます。
香りは人間の記憶と密接に結びついています。 良い香りを嗅いだ記憶は、プラスの記憶として脳にインプットされ、⻑く記憶に残ります。(森林・林業学習館HPより)
空間に香りを拡散させることは奥行きを作り出し、香り以上のものを私たちにもたらしてくれます。